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2007年12月14日 (金)

不動産2010年問題(長文)

先日、ひょんなことから大手ゼネコンの方からいただいたメールの末尾に「2010年問題」展望を聞きたい旨のメッセージが。

久しぶりに昔の仕事を振り返り考えてみた。

「2003年問題」は一般的にもよく知られていたが、「2010年問題」とは「2007年問題」とも呼ばれ、1947年生まれを中心に戦後ベビーブーマー、団塊の世代が大量に定年時期を迎え、ビジネスの世界を去ることによる影響を指す。

これは多くの業界では技術の喪失に繋がるので各種対策が取られつつある。

雇用延長、再雇用、技術の伝承教育、シニア層新会社・・・・

不動産業界に於ける「2010年問題」はオフィスの就業者が減少するわけだから、当然ビル需要の減退に繋がり影響が懸念されている。

では実際はどうなるのか?

不明?? では話しが終わってしまう。予測としては影響ありだろう。

これにはくつかの他の要素が絡んでいる。主に①雇用の動向、②不動産市況 の2つである。

     雇用の動向 

上記の技術力の喪失は企業にとっては極めて由々しき問題。実際の雇用面では一気に皆退職するわけではなく、一定数は継続するだろう。

また、若年層の人口減少が表面化してきているので、就業者数が足りず企業の新入社員獲得競争は激烈になっている。従って、これら高年齢層の雇用にも目が向けられてきている。

もう一つは既に適用されている「改正高齢者雇用安定法」である。つまり定年の年齢を60歳から65歳に延長させようとする法である。

就業者の減少は日本経済の停滞にも繋がりかねないため、こうした法律が制定されるに至ったわけだが、この背景には年金受給開始時期の延伸がある。現状では大量の団塊の世代に対する年金供給が不可能だからである。

年金の受給時期延伸と共に、2013年までに段階的に定年を延ばしていくものである。

現在、社会保険庁のでたらめな年金運用に端を発した年金問題が最大の政治課題となっているが、これが更に問題を複雑にしている。

     不動産市況

現状の不動産市況はバブルである。

東京を中心としたオフィスビル市況は異常で、空室率は1%台に下落。都心部の賃料は「丸の内、八重洲」6~10万円/坪、「六本木、汐留」あたりで4~6万円/坪という高騰ぶり。

但し、東京のみで大阪、名古屋あたりではこんな状況ではない。

不動産市況の予測は難しいが、2009年より後退するというのは大方の見方。

東京の現在の水準は既にテナント側には手を出せる水準ではなく、不動産、建設側では新たな土地物件の仕込みも難しい。

従って、双方身動きができなくなりつつあり、自然に賃貸借が減少、仲介業も動けない。しかし、需要は無くなったわけではなく、供給がごく少ないため空室率は低下のままで賃貸水準が高止まり。2008年後半まではこんな状況が続くと言われている。

●高まるリスクとサブプライムローン問題

元々、J-REIT、ファンド等による不動産の流動化は不動産業界が金融市場化した原因であるが、国際的な金融市場直結となり海外の大量の資金が日本に流れ込んだわけである。

日本の不動産市場の利益率の長期国債金利との差、イールドスプレッドは2%前後で、まだ海外不動産市場に比べると割安感があるのだろう。しかし、この流れ込む資金のかなりは海外ファンドが中心であり、ここに米国の「サブプライムローン」の破綻が加わった。

まあ、アメリカも不動産バブルがはじけたわけですな、個人向けの。

日本国内では‘90年代の不動産、金融バブル破綻以来、金融庁、国土交通省がこうした事態を懸念してきており、金融庁は金融機関をウォッチし、度々注意を促してきたり、ファンドの是正勧告を行っている。

今年に入ってREITの上場は急激に減少し2社程度のよう。利回りも当初の5%台から3%台へと下落してきており、金利上昇が進むと一気に資金が逃げて破綻の糸口となる危険性がある。

ニッセイ基礎研究所のレポートによると、日本の就業人口は2000~2010年で5%減少するとの見通しで、これによるオフィス面積需要の減少は370万㎡に相当し、丸ビル23棟分だそう。

2007年度経済成長見通しは1.1%程度としており、2006年度の2.3%に比較し落ち込んでいる。

国内での建築基準法改正と適用の厳格化による影響もかなり深刻で、建設業界への打撃は大きい。また、米サブプライムローンの影響の大きさは世界的に日々表面化してきている。

中国では異常な経済成長への弊害に対して世界中から厳しい声が高まり、政府が抑制策を取りつつある。

こうして見ると、日本企業の稼ぎ所の米国、中国が難しい局面に入りつつあり、経済全般の状況も予断を許さない。

従って、結論の「2010年問題」はやってくるし、ちょっとしたほつれから一気に転落の可能性があると思われる。こうならないよう政府、企業、関係機関が注意深く対策を実施しているわけだが、市井の一個人の肌感覚では来年はかなり大変なことになる予感がする。おお怖!!

 

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