経済・政治・国際

2009年1月30日 (金)

HONDA の戦略

世界的な自動車産業の減速はとめどない。

TOYOTAHONDANISSANMAZDA・・・いずれも生産ラインの縮小、派遣・期間従業員の削減等が続いている。

自動車、家電、半導体等日本の製造業の主力はいずれも巨大な装置産業のため、一昨年までの好況故の生産拠点拡大が、今は逆に大きな打撃だ。TOYOTA生産方式(TPS)はこの装置産業の問題を解決する手法の一つとして世界的に導入が進んだものの、昨年来の需要急減にはさしものTPSも歯が立たない。

こうした中でホンダの対策が印象的だ。

 

■迅速な撤退策

工場での減産・停止、派遣社員・期間従業員の削減等自動車各社は次々に対策を打っている。会社によっては所謂「派遣切り」でマスコミに大きく報道されている例があるが、装置産業としての自動車会社は、稼動率を下げての在庫圧縮と流出する費用の削減のためには当面人件費削減は必須だろう、これは製造業では皆同じだ。ただ、企業毎に事情は異なるから「ワークシェアリング」或いは工場稼動日減少で人件費・エネルギーコストの削減で乗り切ろうとするケースもあろうが。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081205/biz0812051144006-n1.htm 

こうした対策の他、ホンダは昨年来いち早く「F1撤退」「鈴鹿8耐中止」を打ち出した。これらはホンダの歴史を良く知る人達には大きな驚きだった。

「F1」はホンダが4輪ビジネスに本格参入しようとした頃からの歴史があり、数年前まではホンダが経営する「鈴鹿サーキット」で毎年行われてきた世界最高峰と言われるレースである。

「鈴鹿8耐」はやはり鈴鹿サーキットで行われる2輪の「鈴鹿8時間耐久ロードレース」であり、30年以上の歴史がある国内最大級の2輪ロードレースだ。

ホンダは創業者「本田宗一郎」が創業時からレースに情熱を傾けてきており、2輪4輪ともレースで培ったスポーティーな味付けがホンダ製品の大きな特徴である。

F1ではここ数年不振が続いていたものの、レースの血が流れていると言われるホンダの撤退インパクトは大きい。

しかし、冷静にF1レースを眺めると理解できないこともない。年間の参戦費用はトップチームで500億円からそれ以上とも言われ、また、ここでの技術的な成果は必ずしも製品に反映できるようなレベルではなく、こうした優秀な技術者を製品開発に向ける効果は大である。ラリーのWRCも同様で、SUBARUも撤退を発表している。   

この撤退は、直接的な支出の削減もあるが、あのホンダがレース撤退するという危機感を社内外に印象付け、これから本気で立て直しをするぞという社員の意識統一を狙ったメッセージでもあろう。

  

■グローバルビジネス

ホンダの事業領域は結構広く、自動車、2輪車の他、航空機、耕運機等まで手がけている。

自動車が何といっても最大ビジネスだが、2輪車も大きなビジネスで特にアジア地区では欠くことが出来ないものとして定着しており、シェアも大きい。

あの超優良企業と言われたトヨタの不振は驚くべき事態だが、トヨタ、ホンダの生産・販売実数を見ると各社の事情がよく判る。(‘08年データ)

ホンダは日本の自動車会社では最もグローバル化が進んでいて、海外での販売は85%!生産は国内が32%だ。一方、トヨタ(ダイハツ、日野含)も海外での販売は77%で、生産は国内が53%だ。    

いずれも80%前後の海外販売比率で日本メーカーのグローバル化は進んでいるが、国内の一般ユーザーの認識は相当異なるだろう。

ここで両社の違いは国内生産の比率だ、トヨタは半分以上が国内だが、ホンダは1/3に過ぎない。トヨタが苦悩するのは生産を縮小する場合、ウェットな雇用関係の日本国内で大きく手を付けざるを得ず、名古屋等での雇用対策は難しかろう。この点、ホンダは海外生産比率が高い分、各国に工場が分散しており、地域毎の対策は比較的早めに実行できるだろうし、経営側のグローバル意識も進んでいるのもあろう。

 

■製品戦略

・プリウスとインサイト

4080904a1

北米での販売比率はいずれのメーカーも高いが、小型のため影響が少ないと思われていた日本車も例外では無くなってきた。さしものトヨタプリウスも販売は落ち込んでいる。北米での自動車販売が回復するには経済全体が底を打たないかぎり難しい。車必須のアメリカ人でも日常生活の維持のためには車どころではないのだろう。

ここでの製品戦略は「低燃費」「低価格」が重要だ。今回ホンダが発表した新型「インサイト」は新型「プリウス」に比較して若干燃費性能は下回るが、価格設定をかなり下げており、日本では200万円を切る価格と言われている。こうしたどん底の経済下ではスーパーの低価格品好調と同様に車も同じ戦略を採らざるを得ないと踏んでいるようだ。

「エコ替え(買え?)」だけでは無理で低価格での一押しがポイントだろう。これを見てトヨタも新旧プリウス併売を発表、当然旧モデルの価格引下げ策を打ち出したが。

世界的にもプレミアムブランドの「メルセデス」「BMW」は不振だが、「VW」は販売好調だ。

      

・新排気ガス規制への対応

http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/200812/06.html 

この自動車不況に加え、環境問題として排ガス規制ものしかかる。

アメリカはオバマ政権が地球環境問題への対策を本格化することを表明しており、ビッグ?スリーももう逃れられない。

既に米国での「Tier2」,欧州での「EURO5/6」,日本での「ポスト新長期規制」規制は着実に進んでおり、単独の車種の排ガス値だけでなく、対策に不利な大型車の多いメーカー、高出力車メーカーは車種構成の見直しから企業合併まで検討せざるを得ない状況だ。事実、PORSCHEはその起源は同一とはいうものの、VWの親会社となってしまった。

この点ではホンダは大型車が少なく、中小型車中心の製品構成で排ガス対策も進んでおり、新「インサイト」の販売、水素燃料車「FCXクラリティ」のパイロット販売が開始されている。

  

・迅速な市場選択

最も販売不振の市場は北米で▲14.1%、次いで国内▲7.3%、欧州▲6.6%と続く、しかし、アジアは+7.3%で、特に中国はまだ伸びる市場だ。 

各地での減産を実施する中、ホンダは中国での伸びを見込み東風本田(シビック等を生産)で生産を倍増させる決定をした。アコードを生産する広州ホンダは変えないようだが小型低価格クラスは強化する戦略だ。

国内でも「フィット」と「フリード」は販売が好調で、「フィットは」‘08年販売台数トップとなり、「フリード」は‘08年下半期ミニバンでトップとなった。

当面、低価格での戦いが続くと思われ、高価格帯製品の多いメーカーは苦戦が避けられず、トヨタ、日産のプレミアムクラスの先行きが注目される。トヨタのLEXUS販売店は広範囲に国内展開されたが、日産の「INFINITY」,ホンダの「ACURA」はいずれも国内展開は見送られたままで、今後更に遠のくだろう。   

■再生の旗印

この再生のプロセスでトヨタとホンダの旗印の違いが象徴的だ。

冒頭の「F1撤退」を発表したホンダに対して、トヨタは「大政奉還」と言われる豊田章男副社長の社長昇格を発表したことだ。これはいずれの企業にとっても連綿と流れる歴史、血のようなものを感じる。F1はホンダの血であり、撤退はホンダ社員にとって象徴的な出来事。一方、トヨタは国内の生産拠点の統廃合、人件費の削減は名古屋の人・身内にこだわりを持ちたい文化にとって、大政奉還は大きな共同体が納得するための御旗なのである。 

ただ、これまでを見るかぎりホンダは従来からの戦略が着実に実行されてきているように見え、むしろ施策が一層加速しているようだ。抱える課題解決には素早い施策が必要ということだ。

トヨタはその規模の巨大さ故に対策実行は一層難しいと思われるが、生産・販売の固定費削減は急務だ。最近国内の販売店統合計画を発表したが、苦悩する販売会社の対策は長年の課題だ。しかし、これには「車種の整理」が必要で、同一車台からの多数の派生商品を整理し力の入った主力車種に絞るべきだ。

これだけ車が売れない時代に中途半端な車を買ってくれというのは無理。ホンダも中途半端な車種が見受けられるが、アコード、シビック、オデッセイ、インサイトらの主力商品は明確だ。「インサイト」は必ず世界的なベストセラーになるだろう。

冒頭の「F1撤退」は中期的な戦略を確実に実行するための重要な最初の一手であるような気がする。うまくいけば世界で最も早く回復する自動車会社となるのではないだろうか。

モータースポーツはそれからでも遅くない、その時はハイブリッドカーレースか水素燃料車レースかもしれないが。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月20日 (土)

景気後退とコモディティー化に見る日本車

昨年の米国サブプライムローンの破綻に始まった世界経済の急降下は実態経済へ波及し、自動車産業も大波に直面している。

世界経済の後退

Logo2  119dadab8041      Header_logo1      

                 サブプライムローンの破綻はリアルエステートビジネスを「流動化」という手法でノンリアルな金融商品にし、金融工学!と称して投資家へ「見えない化」して販売するという、米国流利益至上主義の破綻でもある。この「見えない化」はまるでGMの役員フロアのようだ。

今回のGM、フォードらの大幅販売減は彼らの息の根を絶つ寸前に至り、米政府の支援に生死を握られている。長年の官頼みの怠慢に対して支援には賛否があろうが、金融と同様に米経済の破綻を防ぐためには止むを得ないのだろう。

しかし、問題は米企業に止まらず日本車の販売も大きく下落し、トヨタ、日産、ホンダらは夏以降毎月米車並みの20~30%減が続いている。

何故か? 

従来、燃費の悪い米車の販売減少は当然と見られていたが、日本車までの大幅減少は予測されざる事態。コンパクト、低燃費、高品質だけではユーザーの不安を解消できないほど米国の経済は急減速し、金融不安からローン販売への影響も大。

結果的にこの異常縮小の市場でトヨタが世界一の自動車会社になる可能性大だが、低燃費、高品質による量的拡大戦略だけでは米ビッグスリーと同じ運命をたどる可能性大であることも露呈した。

コモディティー化 

IT産業の直面する果てしない価格下落は、ものづくりの限界に近づいてきているかのようだ。携帯電話の不振、5万円PC等の低価格化はこれらハイテク商品がいずれもコモディティー化してきたため、製品の特徴・性能より価格優先になってしまった実態を表している。 

不況下で顧客自身が本当に必要なものは何か?を考え始め、供給サイドの目論見通りには行動しないことも示している。

自動車も同様な現象に直面してきているのでは?

トヨタ自動車をはじめ各社が「耐久性の高い」「低燃費」の車を高い生産技術で「低価格」で供給する戦略で世界市場を獲得していったのだが、同時にこの3つ以外特徴の無いコモディティー商品化の道をたどっているのではないか。

日本の若者は車に興味がなく、携帯電話・PC・ゲーム機が車のライバルと言われて久しいが、これらIT商品も販売不振に陥っている昨今、車も同じ道をたどるのか。 

車の面白さ、車と生活の係わり合い方を示さず、同一車台からの多数の派生商品で量的拡大を図ってきた日本車はグローバルな市場での競争相手は韓国、中国、インドだけになってしまうのでは。

 

技術先行している?

Prius1 Tsi_special1       Iq2

                        今やトヨタプリウスは世界で最も有名な車の一台である。

一般の自動車ユーザーは、トヨタを中心とした日本車はハイブリッド等技術面でダントツの世界一と思っているのではないだろうか。

本当か?

確かに日本車は従来から排ガス対策等で先端を走ってはいただろう、だがVWTSIDSG等を凌駕する技術・発想はあるだろうか。多くの日本の技術者、ジャーナリストはTSIDSGにはしてやられたと思ったに違いない、ここに日本の問題点がある。

つまり、視点の違い発想の違いである。ヨーロッパ勢は車との生活に長い歴史があり、生活者視点で何が必要かをロジカルに考えようとする、しかし、日本は量的拡大に視点が傾いているように思われる。こうした文化の違いが製品の違いに表れているのではないか。

日本では1980年代に盛んにTURBO車が発売されたが、未だにハイパワー獲得手段の発想だ。

本来排気タービンは小排気量エンジンでも高効率で出力アップできるはずのもので、現下の環境問題に正面からこの技術を熟成した結果がTSIだ。何故日本では出来なかったのか、軽自動車であれだけTURBO車が商品化されているのに。  

トヨタがTPSとハイブリッドを誇っている間に、VW、メルセデス等ヨーロッパ勢は総合的、且つ実用的な省エネルギー、CO2対策の研究を重ね、ディーゼルエンジン、TSIDSG等で着実に技術先行してきているのではないか。そこには上記の生活者視点、自動車観の違いがあるように思う。

トヨタらの米国市場依存度の高さがGM等と同じ量的拡大による利益拡大の自動車観である一方、ヨーロッパ勢はトータルな自動車観と、LCCも考慮した温暖化・CO2対策をロジカルに考えているのではないか。

たぶん世界一の自動車会社になるトヨタが、いかにプリウスの累計生産台数が100万台を突破したといっても、現在の延長で中国、ロシア、インド等で爆発的な量的拡大を続けた場合、排熱・CO2拡大による地球温暖化とどう折り合いをつけるのか。地球規模の環境問題直結の産業としての自覚・戦略を強く求めたい。米三社のガソリン垂れ流しの製品戦略を長年改めない怠慢、経営者としての倫理感の無いまま巨大化していったのと同じ道を歩んで欲しくない。

 それと上記の自動車観である。

TPSは高効率生産、低コストを達成するトヨタが誇る生産システムで大きな利益をもたらした。しかし、その結果、コスト優先に傾き顧客の生活者視点に気付かず、開発側の思い・熱意を奪う結果になっていないだろうか。それは同一車台からの派生商品の数に表れているのでは?

「iQ」の発売は一点の光明と期待したいところではあるが。 

ジャーナリズムも問われている

001237_s1 こうした自動車産業の置かれた立場と求められる責務の一方、ジャーナリズム側も問われている。

各誌とも毎回似たようなロードインプレッションを多量に排出し、独御三家(メルセデス、BMWAUDI)の4ℓ,5ℓクラスのレポート等は環境無視のハイパワー競争への加担ではないか。

また、日本車でリポートに値するのは「iQ」だけなのか?日本車が国内外でこれだけ多量に販売されている事実をもっと客観的な視点で、先入観を取り除いて見直すべきではないのか。

現在の自動車ジャーナリズムは、移動体としての車はどうなるのか?どうあるべきか?等もっときちんと議論すべきだ!世界一の自動車生産企業のお膝元ジャーナリズムなのだから。

業界代表誌と言われる「CAR GRAPHIC」誌すら例外ではない。40年来のCG読者でも残りあとせいぜい15年だ、車に興味の無い若者が増えているということは、同時に車雑誌を講読する読者も減るということだ。 

「ロードインプレッション、長期リポート」を小林彰太郎氏が始めたCG創刊時と、45年経過の現在では社会も大きく変わったのに、あれからどう進歩したのか?もっと採り上げるべきテーマはあるだろう。

例えば、車に関心の無い若者へのインタビュー・分析、ユーザーの車との生活事例、メーカー開発現場の技術者の苦悩、自動車産業の10年先のビジョン・戦略、テクノロジーの解りやすい解説、グローバル市場の実態・分析、自動車社会の環境への影響度、道路行政の問題・・・・

40数年の自動車誌読者としては奮起を促したい、個人の趣味の世界ではあるまい。

ジャーナリズムの提言を期待したい。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年11月22日 (土)

シャッター通り(その5)

0071300pxe4b8b8e4ba80e794bae59586e5ba971321                          「先進的成功事例」

香川県高松市は愛媛県松山市と並ぶ四国の行政・商業の中心地であるが、近年は松山が「松山城」「道後温泉」の観光名所を武器に優位を保っている。高松市も「玉藻公園」「栗林公園」「さぬきうどん」等があるが押されぎみ。

1988年高松市丸亀町商店街は生誕400年祭を開催したものの、その後お決まりの郊外型スーパーの出店等で来客の減少傾向が見られた。

しかし、ここで衰退の道を辿る他の商店街との違いが出る。

地元青年会が中心となって再開発委員会を発足させ、他の商店街の視察・調査等を行い議論のすえ課題をまとめ、その結果、再開発は商店の一軒一軒が自らの問題と認識し、共同で実行するしかないとの結論に至る。そこに行政側も市の中心部の衰退は市全体の衰退に繋がるとの認識で、個々の権利調整するため都市再開発法に基づく市街地再開発事業を決定する。

約20年をかけて再開発を進め、2006年商店街の入口に位置している三越百貨店付近を「壱番街」として第一期の街づくりを完成させ、順次「弐番街」「参番街」として開発していく長期計画である。

http://www.kame3.jp/ 

http://www.kame3.jp/redevelopment/ 

http://www.machinakasaisei.jp/project/casestudies/kagawa01.html 

ここで注目するのは官主導ではなく、あくまで地元商店街の若手を中心とした活動であり

衰退の傾向をいち早く感じ取って視察・調査する行動力である。ほとんどのシャッター通り商店街はうすうす衰退傾向に気付いていながら行動しない結果、手遅れになってしまう。

行政側も再開発事業となると個人の権利調整が極めて面倒なので手を出そうとしない。

この事業は地元商店街のメンバーが中心だが、背景には再開発のプロがいるのだろう。

定期借地、権利調整、容積率移転・・・等従来の問題点を解決する専門的手法が取り入れられている。都市開発には専門的技術が必要なので、事業者主体で支援してくれる民間の健全な専門会社の選択もポイントだ。

商店街の繁栄と共に、住宅、病院等そこに住む人達の利便性、住みやすい町づくりの計画が今後のシャッター通りの再生には必須だろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

シャッター通り(その4)

「注目される事例」

1970年代、1980年代の日本の都市開発は多くの課題を残した。

その後の市街地活性化策には大規模商業施設の開発が推進されたが、手法の迷走が続き逆に市街地の衰退に繋がることとなった。

当初、市街地でのスーパー等大規模店舗の規制のため「大規模小売店舗立地法(大店法)」が施行され、郊外型大規模店舗が全国に相次ぎ、旧市街地の衰退に繋がったとされている。これに対し、今度は街づくり三法「大規模小売店舗立地法、改正都市計画法、中心市街地活性化法」の改正で郊外型の大規模店舗を規制し、再度市街地の活性化を図るとするものだが、既にこうした規制策では活性化に結びつかないことは明らかで、官頼みではなく地元企業・住民の努力が必要だ。

 活性化のもう一つは「観光」だが、これには「景観、お城、温泉、文化、お祭り、名産品・・・」といった目玉が必要だ。しかし、目玉があっても生かされていない場合も多く、目玉が無くても新たな視点・工夫で実現している例もある。今回は個人的に訪れたいくつかの都市の例を中心に挙げてみる。

 

注目される試み

・伊勢の「おかげ横丁」

伝統の「お伊勢様」内宮前の参道横に古い建物を移築した人工の町「おかげ横丁」が賑わっている。

http://www.iseokagenosato.jp/okageyokocho/ 

http://www.okageyokocho.co.jp/ 

・鎌倉の「由比ガ浜駐車場、パークアンドライド」

関東の小京都鎌倉の悩みを由比ガ浜海岸地下の大駐車場で解決。サーファー・中高年共に大好評。

http://guide.city.kamakura.kanagawa.jp/

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/dorokanri/homepage/yuigahama/yuigahama.html

・北海道旭川「旭山動物園」

衰退する動物園を運営側のアイディアで盛り返し、大きな町おこしにもなっている。

http://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/

・宮崎県「どげんかせんといかん!」の知事が自治体興し。 

http://www.pref.miyazaki.lg.jp/ 

http://www.kanko-miyazaki.jp/ 

・北海道ニセコ町「スキー」で海外顧客、町興し

http://www.niseko.ne.jp/

http://www.town.niseko.hokkaido.jp/

歴史と町並みで

・北海道小樽市「観光都市宣言」で全市が観光地?

http://www.city.otaru.hokkaido.jp/midasi/kankou.htm

・山形県鶴岡市「藤沢周平、映画ロケ地」で観光推進、世界の「おしん」を目指して?

http://www.tsuruokakanko.com/movie/index.html 

・埼玉県川越市「小江戸川越」歴史の町並・喜多院・菓子屋横丁で小江戸再現。

http://www.city.kawagoe.saitama.jp/icity/browser?ActionCode=genlist&GenreID=1000000000102 

・栃木県栃木市「栃木蔵の街」昔の町並・水運・蔵でしっとりとした町へ。

http://www.kuranomachi.jp/spot/see/index.php 

・栃木県足利市「史跡足利学校」教科書でも知られる、お隣栃木市と連続。

http://www.ashikaga-kankou.jp/

・滋賀県長浜市「黒壁スクエア」小樽に負けない観光都市に。

http://www.nagahamashi.org/

・島根県松江市・出雲町「宍道湖、出雲大社」の歴史の町、NHK「だんだん」も。

http://www.kankou-matsue.jp/shinjiko_yuuhi/ 

http://www.izumooyashiro.or.jp/

http://www.kankou-matsue.jp/dandan/

・愛媛県松山市「松山城、道後温泉」伝統の四国観光代表選手。

http://info-matsuyama.lg.jp/kanko/kanko-001.html 

遊び心も

・東京都青梅市「昭和レトロの街」映画看板・赤塚富士夫会館で町興し。

http://www.omekanko.gr.jp/ 

http://www.omekanko.gr.jp/cgi-bin/area/area.php?area=ome_st 

・鳥取県境港市「鬼太郎・水木しげるロード」白砂青松・さかなの街に鬼太郎の助っ人。

http://www.sakaiminato.net/  

こうした地元の努力によって活性化した街、伝統を守り続ける街がある。

弱点を逆手にとったり、昔からの古さを大事にして成功。視点の置き方がポイントだ。

しかし、これら事例は行政と地元企業・住民との前向きな努力・危機感の共有によって可能となっている。

更に現代はリアルの施策+WEB上での紹介は必須。WEBデザイン、サーチエンジンの威力は世界の観光客にも繋がる。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月15日 (土)

シャッター通り(その3) 

Eki1225pxkano_rever_and_onari_bridge1  現在の赴任先静岡県「沼津市」の商店街について考えてみた。

「沼津市」

静岡県東部の中心地で人口約20万、伊豆半島の入口でもあり、伊豆、箱根、富士山、駿河湾・・・有名な観光地に囲まれ温暖な気候に恵まれている。

沼津港があるため水産業が盛んで最近は観光地ともなっている。一方、リコー、東芝機械、矢崎電線、明電舎、富士通等の大企業の工場も進出している。

東西に長い静岡県の特徴か東部は名古屋中部圏ではなく、東京を中心とした関東圏との交流が多い。東名高速、東海道新幹線を使えば東京との交通は1~2時間の範囲、昔から東海道の主要地の一つで、恵まれた環境故に浜松等西部と違いのんびりとした気風と言われている。

しかし、大企業あり、有名観光地ありの都市で何故シャッター通りなのか。

観光客は沼津を素通り、大企業従業員は郊外型大規模ショッピングモールで買い物の実態。

今後、道州制で地元の人達が望んでいるように関東州に組入れられるとストロー現象で経済・文化等が東京に吸い取られる危険性もあり、既に相当その現象が進んでいて衰退の一因ともなっている。その割には沼津市隣接の三島市、長泉町、清水町等との合併構想は進んでいないようだ。

いずれにしても旧市街のシャッター通り化の可能性は否定できず、市内の南北方向の交通アクセス等より広域での東京圏とのマクロな視点で眺め、他の大規模支出等は抑制し長期的な都市衰退に歯止めをかける対策を検討すべきだろう。 

ただ、個人的な視点では沼津市のシャッター通りはまだ15年前の前橋市ぐらいか?

沼津、静岡県東部が持つ特徴、伊豆・箱根・富士等の有数の観光地、沼津港と漁業、東名高速・新幹線等の強力な交通アクセス・・・の優位性はあるが、外部からの人は通過するだけなのか。

周りの観光拠点をもっと積極的にアピールしていく必要があるが、これら拠点との連携した企画・アイディアが必要だ。また、沼津の街・旧市街地が東京圏とは異なる良さをアピールする必要がある。東京と同じものでは地元でも勝てない、沼津らしさ・沼津ならではのものが無ければ観光客も素通りだ。同時に旧市街地の人達にとって生活しやすい環境とは何かを真に考える必要がある。

沼津は全国的にはまれに見る恵まれた環境だ、但し、地元の良さが何かというのは地元の人には気付きにくいことが多いが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

シャッター通り(その2)

S_00501S_00011  「地方都市の現状」

その1で紹介した我が故郷、群馬県「前橋市」の商店街について考えてみた。

「前橋市」 

広い関東平野の端、北関東北西群馬県の県庁所在地で人口32万人。

同県の商業・交通の要地にある高崎市に対し、「厩橋城(うまやばしじょう)」城下町として発展した市。

シャッター通り化が進んだのには群馬特有の背景もありそうだ。

群馬県は戦後4人の総理大臣を輩出している。福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三、福田康雄の4氏。それが幸いしたか、災いしたか群馬県は有数の自動車保有県。世帯あたり3台保有という家も珍しくなく、道路整備が必要以上?に進んでいて道路区画整理と舗装率に驚く。

従って、昔から郊外型の大規模店舗が多く、「ヤマダデンキ」(前橋)、「ビックカメラ」(高崎)、「ベイシア(ベイシア、カインズホーム、ワークマン)」(伊勢崎)らを生む。北関東で見ると「コジマ」(栃木県宇都宮)、「ケーズデンキ」(茨城県水戸)等も加わる。

こうした郊外型大型店の安売激戦地であり、旧市街の昔の商店街はひとたまりもない。

 群馬県全体での有名観光地は「草津、伊香保、水上、四万」等の温泉、「赤城、榛名、妙義」等があるがいずれも都市部ではなく山である。前橋市内の城址公園、広瀬川といっても県外から観光で訪れるほどのものではない。

もともと城下町で、隣の商業地高崎に比較して官まかせの伝統か、のんびりとした気風?で長期的な市街地対策は行われず、且つ民間による開発は点の開発でいずれもうまくいっ ていない。夜、市内主要国道に面したホテルから県庁付近まで歩くと、全く暗くて怖いほど。昼でも人通りが少ないため旧市街南北の「中央通り」から東西の「立川町通り」が見通せ、その先の「弁天通り」あたりまでが深刻なシャッター通りとなっている。  

http://www.maebashi-cvb.com/tourism/view/course/005.pdf 

悲しいことに、つい最近自動車会社の跡地にできた大型ショッピングモールが完成するまで、しばらくの間全国県庁所在地で唯一映画館が無かった都市でもあった! 

 こうした中で全く手をこまねいていたわけではなく、市内を流れる広瀬川と周辺を整備したり、詩人「萩原朔太郎」記念館の建設、弁天町では古い町並みを逆手にとって「弁天わっせ」なるお祭りイベントを開催したりしている。

しかし、歴史、観光で人を呼ぶには市内に名所が限られることから中心部の停滞は深刻で、シャッター通りどころか旧市街での生活に支障が出かねない状態で、抜本的な対策が必須と思われる。

では、どうすべきか?

市内に観光で人を呼ぶことは不可能だとすると、現に旧市街に居住する人達の利便性、地元前橋地区の住人が魅力ある街を目指すしかないだろう。

ストロー現象で東京に吸い取られる典型的な北関東の一都市としては、東京とは違う地元ならではの住み易さ、衰退傾向の地方都市でも暮らしやすい町づくりが生き残りの道だろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月 9日 (日)

シャッター通り(その1)

最近「シャッター通り」という言葉は広く知られている。

主に地方都市の旧市街の商店・オフィス等の閉店が続き、シャッター閉鎖状態の町並みを言う。近年の地方の人口減少、郊外型大規模店舗の進出、車による買い物スタイルの定着・・・が原因と言われており、今や地方行政の大きな問題点の一つ。

北海道のいくつかの財政破綻の自治体ほどではないが、我が故郷でもある群馬県前橋市も全国でも有名なシャッター通り商店街を抱える。

以前、同窓会で訪れた際の驚きをブログに記載したが、深刻で悲しい現実。

http://hydro2-cycle.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_d571.html 

この時の同級生の言葉がずーっと気になっていたのだが、原因を探っていくと古くは1970年代からの日本の成長過程の施策が根底にありそうだ。

「行政による施策」

1956年の「もはや戦後ではない」の経済白書以降、58年の「東京タワー」竣工、64年の「東京オリンピック」開催と続き、日本は急激な経済成長を続けた。

そして1972年田中角栄内閣が発足し「列島改造論」を唱え、「新幹線」と「高速道路」によって地方と都市部を短時間で結び、過疎化の進む地方都市の活性化、都市部の過密化・公害問題等の解決を図るとしたものである。   

これには当時の通産省、建設省、厚生省等の各省が呼応し多くの施策が推進された。

全国の高速道路網の整備計画、東海道を始め新幹線整備計画、本州四国連絡橋(神戸淡路鳴門自動車道、瀬戸大橋、瀬戸内しまなみ海道)等。

更に、通産省による「テクノポリス構想」が発表され、1983年「高度技術工業集積地域開発促進法」(テクノポリス法)が成立、先端技術を中心とした産・学・住一体の街づくりが推進された。各種都市構想、民活法、地方拠点法等が次々に策定され、オフィスアルカディア、リサーチパーク等が実現に向けて推進された。

現在の「筑波研究学園都市」「京阪奈学術研究都市」「みなとみらい21」「東京臨海副都心建設」「千葉新産業三角構想」・・・・に繋がっている。

 厚生省ではグリーンピア構想(大規模年金保養基地)が発表され、年金資金の運用先として「グリーンピア」、社会保険庁では「厚生年金休暇センター(ウェルサンピア)」等。

こうした構想・開発行為は不動産・建設関係を中心とした「はこもの」政策であるため田中内閣は「土建屋内閣」と言われ、後の土地の高騰・狂乱物価を招き土地神話論・土地本位制等が謳われ90年代の不動産バブル崩壊に繋がるわけである。

日本国内の道路、鉄道整備は進んだものの所謂「ストロー現象」により、繋がった地方経済・文化等が都市側に吸取られる問題が発生し、東京一極集中或いは大都市圏中心の経済構造へと変化した。

行政側は企業の成長性を頼み、グローバル競争下に於けるコスト競争等企業活動の実態・変化を読みきれず、企業側もバブル期は永遠に続くかのごとく、多量の製造・研究開発拠点を手当てしたのである。 

しかし、テクノポリス構想等による地方拠点作りは想定通りにはならず、都市郊外に大規模研究学園都市等のインフラ投資が成されたが、多くは企業未進出のままとなり、企業サイドはバブル崩壊後こうした多くの資産の圧縮を行わざるを得なかったのである。

この結果、各都市の旧市街は人々の生活様式が変化する中、何等対策を取られることなく取り残されていった。   

これに対して、今後は当初ビジョンに囚われない柔軟な施策が必要となっているが、既に構想が崩壊したテクノポリス等の条件・用途等を抜本的に見直し、所謂「コンパクトシティー」等も念頭に新たな都市計画策定を行うべきだろう。

但し、官主導のはこものではない、地域の住人が生活に必要なインフラとは何か、住み易さとは何かを民主導で行うべきだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月10日 (金)

REIT破綻 

今朝(2008.10.10)J-REITの1社の破綻が報道された。

http://www.japan-reit.com/news/00793.html      

今年の世界的な経済の混乱の一つでもあるのだが、米国から発生した「流動性ビジネス」の日本での破綻の始まりでもある。不動産流動化については金融庁、国土交通省が従前から警告を発していたものの、ついに来た~~~!というわけか。

 米国のサブプライムローンに端を発する不動産バブルの崩壊が、今回の日本国内のJ-REIT破綻に直接的に結びつくわけではないが、米国金融の「流動性ビジネス」の破綻がもたらす影響ではある。また、この背景には90年代の日本経済のバブル崩壊後の対策が、この金融流動性手法に頼らざるを得なかったという事情がある。それが不動産ビジネスの再生後も金融ビジネスに突っ込んでいった結果であろう。 

・REITの構造的課題

2001年に開始されたJ-REITは、従来の不動産現物の賃貸収入等によるリアル(リアルエステート)ビジネスであったものを、不動産収益の権利を受益権として流動化して販売する、不動産投資信託なる金融ビジネスに転換したものである。

また、この手法はSPC(Special Purpose Company)なる特別目的会社という税制面の免除が得られる利点付きで実施され、上場企業として活動するという株式市場の持つリスクも加わっているわけである。

投資信託であるから委託~受託という間接の活動であり、投資家側からは「賃料下落」「金利の上昇」「株価の下落」・・・多くのリスクが存在するのだが、「見える化」の反対「見えない化」が進んでいる多重リスク商品とも言える。

更に、これらREITとして組成される投資信託、投資法人等の主要株主はリアルビジネスを行っている不動産会社等であるケースが多い。本来直接不動産を保有し、この賃貸収入で事業を行っている企業が、金融手法によりペーパーカンパニー?とも言うべき形態で不動産事業を別途行っていることは、所謂「利益相反」であるとの見方もできる。 

・現代金融の破綻

 現在の金融経済市場は金融会社が企業に対して融資し、成長を促進し、融資先からの利子、配当或いは融資先の株価上昇により利益を得るというトラッドな金融手法から、米国、ヨーロッパを中心に「流動化」という「見えない化」商品を目くらましに、不健全或いは詐欺的?行為で高い利益を得てきた新しい金融手法が破綻し、世界的な混乱を招くに至っているのだと思う。この点からこうした金融商品への過度の依存が見直されると共に、米・欧共に何らかの規制が成されそうだ。

 

http://yahoo.japan-reit.com/page/data-top.html

・今後の対策

今後、住宅系J-REITは更なる厳しい環境が続くと思われ、金融機関に対するような官による救済策はありえないので、独立系・新興REITの破綻は続くだろう。

ただ、オフィス賃料も下落しているので楽観はできないものの、相対的にはまだ安定しているオフィス物件を中心とした大手不動産会社或いは信託銀行等を中心としたREITによる合併、買収、保有不動産の買取等による対策が進むのだろう。 米国のようにREITの買収が相次いでいる例もあり、不動産を低価格で購入できるチャンスでもあるわけで、資金の余裕のある不動産会社(日本では本質的には疑問だが)或いは投資家によるビジネス(救済?)の可能性もある。

これだけ景気が後退し、株価下落している現実から新たに投資するといった前向きな投資家が出てくるか疑問もあるが、必ず利に聡い人達はいるもので変化は現れるだろう。

ただ、多くの個人投資家は株が紙切れとなるので大きな損失を被るのは避けられない。まあ、もともと株式投資とはそういうもので、「見えない化」で誤解していた個人投資家は悲劇だが。 

リアルエステートビジネスはリアルな商品で健全にやるべきだと思う。

「庶民を騙してあぶく銭」を稼いじゃいけやせんぜ!! 

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年9月17日 (水)

リーマン破綻

米大手証券の1社リーマン・ブラザースが破綻した。

やはり、ついに来たかの印象。

昨年からの不動産、サブプライムローンの問題はその傷口がますます広がり、AIGもついに9兆円規模の政府資金が投入されることが決まった。

90年代の日本に於けるバブル崩壊のデジャビューと多くの人達が感じている。

山一證券が倒産、ほとんどの大手金融機関に政府資金が投入された姿と同じ。

 不動産~金融・証券への流れで経済の破綻に向かう症状は同じで、不動産・建設が与える影響はその絶対額の大きさのため打撃が大きいのと、これら産業の体質的問題は日米共にあまり変わらないということを証明してしまった。

 日本での事例を教訓に直ぐにも政府資金の投入が叫ばれたのは当然と思うが、金融の本拠地としての誇りのある米国では「モラルハザード」問題が足枷にはなったのだろう。

リーマンは破綻、AIGは政府資金投入という明暗を分けているのは日本でも同様、証券は相対的に影響度が少ないとの判断か?総合保険サービスが破綻を招くとあまりにも影響度が大きいのと、FRBとしてはぎりぎりの線での民の事業のモラルハザードを守り、他の金融・証券への強い姿勢の表明が必要だったのだろう。   

 日本での例のようにこの金融危機は短期には解決できず長引く可能性が高い。

破綻後の金融の姿勢は米国では変わり身が早いと言えど、金融デリバティブ商品がこれだけ世界中を駆け巡っていて、政府資金の投入がこれからも実行されるだろうから、金融機関が健全化し、返済が完了するまでには相当な期間がかかるだろう。

 日本国内ではリーマン他への投資、或いは金融デリバティブ商品に投資している金融、保険会社は多く、破綻の危険は少ないだろうが大幅に業績を下方修正する企業はかなり出るのだろう。

それと、世界的な経済後退とバブル崩壊以降も問題継続している不動産、建設業界は破綻の危機を迎えるところが顕在化すると思われる。

http://money.jp.msn.com/investor/stock/board/j-reit.aspx 

また、REITの株価の下落は2007年春頃より続いており、最近の水準は1年半前の1/2~1/3にまでなっている。表面的には利回りを2ケタ台で維持しているところがかなりあるが、保有資産の売却等に頼り、むしろ危険水準に近づいている証か?

これに賃貸ビルの市況が反転してきて賃料の下落が始まり、追い討ちをかけることになりそうだ。

もともと本業との利益相反の問題、出口戦略も明確でない仕組みでもあり、これらの破綻が始まると個人投資家を巻き込んだパニックが懸念される。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 6日 (土)

首相辞任

‘08.9.1「福田首相辞任」、昨年9月の「安倍首相辞任」から丁度1年だ。

マスコミは号外で「驚き」を大きくアピールしていた。

有権者は「またか」の印象だが、実はあまり驚いてはいないのでは?

もともと、福田政権はスタート時から安倍さんの突然の辞任による急ごしらえ。

こうした辞任劇を見ると最近の政治家の体質・行動も、昔の脂ぎった政治家のイメージではなく、現代の日本人気質を反映しているように思う。

さすがの政治の世界も私利私欲型から淡白な真面目人間になってきているのでは。

今回の自民党総裁選の最右翼は「麻生」さんだが、対民主党という点でワイルド派(意外に繊細?)が起用されるのは判る。

対「小沢」さんを考えるとこの人ぐらいの物言いでないと太刀打ちできないのだろう。

二度の辞任劇を見ると、いずれも民主党小沢党首との党首会談拒否が決定打になっている。両氏とも最後は政治の本質・良心でアプローチすれば打開できると賭けたのだろうが、小沢さんとは通常の自民党政治家とは異なる別種の価値観の上に立つ政治家だったのだろう。

自民党時代に田中角栄、竹下登、金丸信らと党の要職を務め、昔の政治のやりかた、裏側での活動も実践しながらも、離党し新進党・自由党を渡り歩いてきた政治家である。

政治思想あり、私利私欲もありといった従来の価値観に拠らない生き方で、安倍、福田さんらエリート政治家?の持つ真面目さでは通用しないということなのだろう。

そういう意味では小沢さんが民主党の顔であるというのはマイナスか?(強面だし)

党首がマイナスイメージという点では社民党の「福島瑞穂」さんよりも数段上。

最近の民主党「鳩山由紀夫」「菅直人」さんら幹部の発言も虚しい。

国会での自民党法案に反対する姿勢、審議拒否等ばかりで、国民には地道な政策論争が見えず対決姿勢のみが強調される。

民主党内の反小沢派、若手議員らの政策研究、主張がこうした党幹部の姿勢で見えなくなり、有権者の反発が大きくなるという危険な状況だと思う。

解散総選挙を訴える鳩山さんの主張は有権者側には違和感が拭えない。今、総選挙を実施すると民主党が大勝すると踏んでいるのだろうが、今年の国会空転・政治の混乱は一般の有権者の視点では民主党が招いた混乱として映り、総選挙では民主有利とは言えないだろう。

安倍、福田さんの真面目派?辞任劇は一般有権者には「かわいそう」という情緒的反応を呼び起こし、民主党への風当たりは強かろう。

今後、民主党は党首選を行わず、自民党はあえて党首選を行うという戦術をスタートさせようとしている。

今回の福田首相辞任劇を見ると、保守自民党の方が世代交代が進んでいて、意外や民主党に昔の自民党政治を見たような気がしたのは私だけだろうか?

しかし、こうした辞任劇のインタビューで初めて本音が見え、人間らしさが現われるというのはいかに現在の政治が混迷しているかを表している。

| | コメント (1) | トラックバック (0)